日本画のブログ、第一回目になります。
まず、私が日本画を描く事になった際、一番驚いたのが絵の具そのものでした。
この、絵の具のご紹介から始めたいと思います。
そもそも「絵の具」と聞けば何が思い浮かびますか?
水彩絵の具が一般的だろうと思いますが、あとは油絵の具でしょうか。
アクリル絵の具とかポスターカラーなどもありますね。
イメージとして、金属製のチューブ状に入った物、そしてキャップを回して外し、握るとグニュって出てくる半液体状の物を想像すると思います。
少なくとも私の概念ではそうでした。
(見えやすいように、習字の硯の上に広げてみました。)
一番上に画像を載せていますが、この粒々した物・・・これが日本画の「白」の絵の具と聞き、
「えぇぇぇえええ!」って大声を出したのが懐かしいですね。
いろいろな種類はありますが、このサラサラした粉が絵の具なのです。
白は、殆どの場合、牡蠣の貝殻を砕いて作った「胡粉」(ごふん)と呼ばれる物で、
「これ・・・を、どうするんですか?」と言うのが精一杯でした。
絵の具っていう物がどうやって作られていて、紙にどのようにくっついて絵が描けているのか、考えた事すらありませんでした。
チューブ絵の具を出して絵を描く、
それまでそれが普通の事だったので深く知ろうとも思いませんでしたし調べる事もありませんでした。
しかし、
事態は急変しました・・・この粉をどうするの??え?絵の具じゃないし・・・貝殻の粉?・・・はて??・・・
絵の具について、今まで考えた事ありましたでしょうか?
回答です。
絵の具というのは、色の元となる人工的に作られた「顔料」を接着剤で紙にくっつけて絵を描いているのです。
水彩絵の具は、顔料をアラビアゴムという接着剤に練りこんで作っています。
同じように油絵の具は乾性油、アクリル絵の具はアクリル樹脂に顔料を混ぜています。
その接着剤の部分が乾いて、紙に顔料が定着している、という事なのです絵の具は。
で、
日本画の絵の具の場合、顔料の部分がさっきの貝殻の粉でして、接着剤はまた別に存在しており、
「膠」(ニカワ)という接着剤を混ぜて練り合わせて絵を描く事になります。
私は最初、聞いても意味が分かりませんでした。
は?って。
要するに、絵の具だけでは日本画は描けないのです。
接着剤が別に!接着剤が別に存在するのです。
あ!「そういえば、知り合いのおばあちゃんが使ってたパレットみたいなのに、色が出してある絵の具、
あの人日本画を描いてたよ、確か」と思い出したのですが、
その後調べて知ったのですがあれは「顔彩」と言いまして、お手軽に日本画が描ける画材なのです。
日本絵の具を膠に似た物で溶いて固めている物です。
ですから、筆を濡らせば顔彩で絵が描けます。
顔彩は、水彩絵の具と同じ感覚で描ける反面、やはり岩絵の具と比べて質感が劣る気がします。
おっと、岩絵の具と書きましたが、岩絵の具というのは鉱物を砕いて作った天然の日本絵の具の事です。
えーとえーと、でもでも、元々はこういう方式は中国が発祥なので日本絵の具という言い方も実は妙なのかもしれません。
はい、いろいろ書き始めるとキリがないですね。いつも長くなってスミマセン。
とにかく顔彩は、定着力が弱く、発色が良い、こう覚えておけば良いと思います。
昔は天然の、例えば砂とか土とか、そういった物を絵の具として用い絵を描いたという事です。
ですから、緑色が欲しければ緑色をした泥を探しに行って掘って取って戻ってくる、こういった事をしていたのです。
今でも日本画が一億円とかしたりするのは、宝石を砕いて絵の具として使っているなどの理由もあるのです。
悪い癖で、話が飛びまくりですけれど、
とにかく説明が難しい!日本画はお金がかかってしかも面倒臭い、という事だけ知って頂ければいいかな、と・・・
全然皆様におススメするブログじゃなくなってますね。笑
気を取り直して、
では、割と簡単に使えて、それなりの質感を得られる絵の具をご紹介して、今回は終わるとします。
水干絵の具(すいひえのぐ)と言います。
これはガラスを着色して砕いて精製した絵の具になります。
顔彩よりも粒子が大きいので、塗り重ねるとそれなりの質感があり趣のある仕上がりになります。