日本画を描いてみました。(その7)

外して近くから見ると、キラキラがよく分かりますね。
はい、日本画を描いてみましたブログの最終回となります。7回にも及んだんですね、詳しく書き過ぎたかしら?
サムネイルの写真ではもう和紙を切り離していますけど、まだ手順では板に貼り付いているままです。

前回の続き、
板に絵を貼って書き終えた物に額縁を乗せ、大体のイメージを掴んでその後、落款のみを和紙に作った物を用意して、それをどこに置くかを考えます。
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実はこの作業、カナリ重要な作業です。
落款、どーでもいいように思いますが、ホンのチョット位置が変わるだけで、絵全体の雰囲気が物凄く変わります。
プロならば、どこに落款を打てば絵がグッと締まるのかその経験と勘で何とかなるのでしょうけども、素人には分かりません、なので、こうやってシュミレーションをする訳です。
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余白のみならず、わざと絵にかかるように押す先生もいらっしゃいます。
それは、そこが最適であると判断した為でしょうね。でも、素人はやはり無難に余白を選ぶのが間違いないでしょう、変な空間が空くのを落款で封じ込める、みたいな感覚です。
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ね、指で摘まめるように作ったので、移動がさせ易いでしょ。いろいろ試してみて、どこが自分にとってグッと来るポイントなのかを確かめていきます。
今回の構図では、一番目の位置が良いと思いました。

ここまで決まったら、絵を板から外していきます。
cut
板のまま名前を書いて印判を押しても良いのですが、私の今までやった経験では、板に貼ったままでは印判を押すのが失敗する可能性が高いです。
ですから、まず絵を外していきます。
印判は最後の最後ですので、最終作業で「あーぁあー」ってならないように。笑
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和紙の周囲にカッターを入れて、そっとそっと剥がします。ね、糊結構頑丈に付いてるから剥がしにくいですよね。
破れない障子紙を噛ませておいて良かった。
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約半分まできました。
あとちょっとです、気を抜かないように。
面白いと思いませんか、裏から見ているので、絵の具を塗って消していった骨描きの線がクッキリ見えますよね。

remove3
くるくるりん。
いえ、わざと丸めてみました。
こんなにしなやかなのです。ペラッペラの和紙ですものね。

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予定した所に書を入れました。
消しゴム判子を押すのには、この印矩という道具が便利です。
お分かりいただけますか、透明なT字の道具です。
この道具、いんくと読みますが、これを使う事によって、一度印判押すのを失敗しても、朱肉をつけてもう一度同じ場所に押せるので、失敗をリセットできるのです。
まぁ、でも、3回目は無いかなぁ、せいぜい上手くいっても一回の失敗のみ、二回目失敗したらもう多分上手くいかないです。
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光の具合で、指がゾンビのような色をしておりますが、ちゃんと生きておりますよ。笑
こんな感じで、角を合わせて押すので、たぶん一回くらいの修正はできるのかなぁ、と。
でも、ちょっとでもズレると、ブレてピンボケ写真のようになりますので、気休め程度の安心感かも。
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あ”!印判捻じれてる!
ま、いいや。味です、味。
私は書に自信が無いので、こういう字を書きますといのを鉛筆で書いてその上から習字します。
なので、鉛筆の線が見えていますね。
あと、薄っすら線が入っているのは、破れない障子紙の厚み分段差ができた線です。
薄い紙なんですけども、和紙が縮む力というのは凄いですよね、ここまでクッキリ線を浮き上がらせるのです。

本来はここに(和紙の裏側)「裏打ち」と言うのですが、真っ新な和紙を貼り付けて強度を出します。
練習に裏打ちされた結果がここに、という「裏打ち」というのはここから来ているのです。別の方向から確実にする事、しなやかな和紙の裏から和紙を貼る事で、しっかりした絵にし破れにくく、再生しやすくする。
再生しやすい、というのは・・・あ、いっか、今回裏打ちしませんのでね。笑
絵を描いてここまでやって、最後に和紙を貼るの失敗したら、飾れないでしょ。
いいんです、自分が満足できれば裏打ち必要無いです。

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和紙の余計な部分をカットしていきます。
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私はアクリルの専用板を使っていますが、プラスチック物差しで十分できると思います。
はい、ピッタリA4サイズに切り取りました。

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額に入れてみましたよ。
まさかの押しピン止め。笑
んー、ちょっと待ってください。
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写真では分からないかと思いますが、100円の額だけあって絵をガードする部分の透明なのはペラッペラのプラスチックなんです。
100円でこのクオリティは凄いですけども、この板だけは要らないや。
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はい、プラスチック板を除去して完成です。
あーぁあー、って何度も思いましたが、こうやって飾るとそれなりでしょ、ぜひ皆様にも描いて欲しいのです。

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最後に、カラーコピーしたA4用紙と比較。
台無し。
当然、カラーコピーの方がいいですよ。でもね、描くのが楽しいんです。行程を楽しみましょう♪
美しいものが飾りたい人は、額買ってきてカラーコピーをセットして飾れば良いのです。
kakejiku_kaki
ちなみにこちらは7年くらい前に掛け軸にした物です。
おかしいなぁ、もう少し描けると思ったんだけどなぁ柿。
ま、時間のかけ方と情熱が明らかに違いますけどね、あの時は何回描き直したか。
光っている部分のみ、パール紛を載せています。カメラの効果で、もう写真そのものですが、実物は少しくすんでいます。

遂に終わりました。こんなに長くなるとは想像していなかったのですが、大体の流れを紹介できたのではないか、と安堵しております。
何となく、取っつきにくい分かり辛い、そんなイメージは払拭できたのではないでしょうか?
終わってしまいましたが、片付けていた絵の具とか引っ張り出したので、また描きたいなぁ、と思いました。
次は何を描くかな?
最近、透明水彩を使った絵が話題ですよね。
書籍として、水彩絵の具を使って日本画を描く、という本はあるのです。でも、逆は今まで見た事が無いんですよね。
なので、風景とか描いてみるのは良いかもしれません。日本画絵の具で水彩風の絵を描く・・・何のメリットも無いのです。
日本画の絵の具が手に入りにくいので、水彩絵の具でやってみましょう、というのならメリットがありますが、
その逆は・・・でも、面白そうです。
毎年お正月に、県内に馬場良治先生という日本画や文化財の復元での第一人者、凄い方がいらっしゃるのですが、
その特集番組が放送されているのを楽しみにしています。
馬場先生が、確か胡粉と緑青、群青の三色のみで荒波の日本海を描いていく様は圧巻で。
緑青を焼いて黒に近い色にしたりして・・・私が使っているのは本物の岩絵の具ではないので焼いたりはできないのですが、あれに近いような風景を描きたいなぁ。
描く時間が取れればトライします。あとは、描きたい!って思う気持ちが起きた時、かな。