7月のトップページ画像、
やはり7月と言えば七夕だよなぁ、と・・・いうのを実は一年も前から考えていて・・・一年寝かせるの好きだなぁ、と自分でも。笑
案もその時に下描きをしてたのですが・・・とここまで書いて、「ん?」と思ったので2018年のトップページ画像のブログを読み返してみたところ、やっぱり書いてますね。
はい、ここで書き出しから全部消して一から書き直せば良いじゃないかとお思いの方が多いとは存じますが、完ぺきな物って面白みがないじゃないですか、八兵衛さん的な何かこう味がある感じ、必要だと思うのですよねー。
という事で改めまして、
今年はこの下描きの夜空を描こうとしたのですが、あまりに暑いので空じゃなくて海だな、と。
ですが、海は昨年描いております。何か良い知恵は無いかなぁ、と頭を捻ったところ、
ここ最近描く事が多かった日本の文様を探す際に目にした浮世絵ですね、浮世絵って子供の頃見ても、良くも何ともなかったのですが、今見ると「おぉー、いいな」と思います、
なので真似して描いてみました、というのが今月のトップページ画像です。
参考にした浮世絵というのは、検索するとすぐに分かるはずですが、正直ほぼそのままを大島バージョンに切り替えて描いておりますので、
一般的にこういうのを盗作疑惑とか言われると思うのですが、真似てます、ズバリです。
違うと言えるのは、雑である、という事かなぁ。
浮世絵、現代で言うと消しゴム判子でしょうか、多分ほぼ完ぺきな版を何枚も何枚も作成して、色ごとに重ねて一枚の絵にしています。
見事と言うべき精度で、版が重なっていますし、重なっていないと作品にはならない。
でもですね、私が描くのはデジタル絵、徹底的にこだわることはできるのですが、最近このこだわりが病的な感じで・・・
ナカナカ話す機会が無いので、今回はこの話を書きましょうか。
私が使っているアドビシステムズ株式会社のIllustratorというソフト、昔はここまで拡大できなかったと思うのですが、クリエイティブ・クラウドというサブスクリプションの形式になって以降、目覚ましい進歩があり、各段に使いやすくなりました。
昔は倍率も数値を自分で手打ちして入力してたような気がしますが、今はPhotoshopに近寄った感じでプリセットの倍率で簡単に拡大できるようになっています。
実は私は、1ピクセルがどっちにズレていようがどうでも良いでしょ、ていう大雑把な性格なのですが、
文様を描く上で正確な物をお届けしようと頑張っていると、何だか1ピクセルのズレが許せなくなって・・・拡大拡大しているとやがて最大倍率でキッチリ合わないと気が済まなくなってしまい、
今では64000%というありえない拡大をして正確を期す性格になってしまいました。
例えばコレ、
鱗という文様なんですけど、正三角形を二つ描いて、ドラッグアンドドロップすればソフトが勝手に図形を読み取って角を合わせるガイドが出て、正しい配置にひし形を形作れます。
ところが、これを64000%まで拡大してみると合ってない事があるのです。
ソフトが原因だとは言い切りません、
フィットしたのに、マウスから指を離す際にほんのちょっとだけ動かしているのかもしれません、詳しい事はわかりませんが何もかもが機械任せで完璧だとは、私は考えていません。
ほんのちょっとのズレ、ほんのちょっとの隙間、
人の目には判らないレベル・・・でも気が済まないのですよね。
これが100%のサイズ、
多くの人がここまでくらい、もう少し拡大くらいで作業しておられると思います。
んで、
急に64000%にすると、上のひし形の一番右の角がこんな状態になります。
当然、画面に入りきりません。
ナビゲーターと書かれているところの赤い印がそこを指している、という事ですね。
そしてさらに、
これをアウトラインの表示にします。
元々キッチリ合わせている物を使っているので、線がキッチリ合ってますよね。
アウトライン表示にすると、色が一切無くなるのでスクリーンショットが真っ白になってしまいますね。
ちょっと味気ないですけどお付き合い下さいませ。
はい、ほんのちょっとズらしてみました。
隙間が空いています。
でも、これをGPU表示に戻して、倍率を1200%にすると、
隙間が消えてしまいます。
うーん・・・ダメなんです、これじゃダメなんです。
え、って思われましたか?
何でダメなの?ってなりますよね。
では、今度は、
隙間を無くして、ちょっとだけズラしてみました。
これならば、多分17000%の辺りで、ズレに気付かない人が殆どだと思います。
コレ、このズレの大きさ、どのくらいか分かりますか?
なんと!
約0.01ピクセルのズレ、という事で良い気がします。
300dpiの場合1ピクセルが約0.0846mmだそうです。
ですから、0.01ピクセルは・・・
でも、ダメなんです。笑
2個の図形を重ねて、合体というボタンを押すと1個にできます。ですが、0.01ピクセルでも隙間があれば合体しません。
逆に0.01ピクセル重なっていれば合体できます。同じ図形ならば左右対称にもなります、ですが中心がズレてしまいます。
ココ、こだわらないといけないと思うんです。
音楽を作る人は・・・聴いていて、「今何かちょっと気持ち悪かったよね」という部分をカチカチカチカチクリックして拡大すると、ほんのちょっと波形が他とズレているという事が分かる人がいらっしゃるそうです。
多くの人にはまったく気付かないズレ、これが分かる人が世に存在していらっしゃる。
私もそういう人向けにやっています、という事にして・・・えーと、
完ぺきな物って面白くないって冒頭書いたような書いてないような、と
良いオチがついたところで、今月はこの辺で。
お跡が宜しいようで。ジャガジャン♪